一般社団法人ふくおか活力創造協会は、2026年7月に福岡県で設立された非営利型の一般社団法人です。福岡県内の中小企業の振興と支援、人材の育成、地域コミュニティの振興を通じて、地域課題の解決と、持続可能で活力ある地域社会の実現に取り組んでいます。
設立してまだ日の浅い団体ですが、私たちが何を課題と考え、これからどのような活動を行っていくのか、この記事でご紹介します。
地域経済を支えているのは誰か
中小企業庁の調査によれば、日本国内の企業のうち99.7%が中小企業です。そこで働く人の数は全従業者の約7割にのぼります。数のうえでも、雇用のうえでも、日本経済の大半は中小企業によって支えられているということになります。
この構造は、福岡においても変わりません。まちを歩けば目に入る飲食店、工務店、運送会社、美容室、製造の町工場、介護事業所。そのほとんどが中小企業であり、小規模事業者です。そこで働く人が地域に住み、地域で買い物をし、子どもを育て、地域の行事を担っています。
つまり、中小企業の状態は、そのまま地域の雇用や暮らしの状態に直結します。中小企業が元気であれば地域に仕事があり、人が残ります。逆に中小企業の活力が失われれば、雇用が減り、人が流出し、商店街が空き、地域の行事の担い手がいなくなる。これは経済の問題であると同時に、地域社会そのものの問題です。
当協会が活動の対象とするのは、福岡県内の中小企業と、そこで働く人々です。法人の名に「ふくおか」を掲げているのは、特定の市町村に限らず、県内の各地で同じ課題が起きているという認識からです。
もちろん、地域ごとに事情は異なります。人口が増え続けている地域では、新しく住む人と以前から商いを続けてきた事業者との間で、まちの姿が急速に変わっていきます。人口が減っている地域では、残った事業者に地域の機能が集中し、一軒の廃業が周囲に及ぼす影響が大きくなります。都市部と郊外、沿岸部と内陸部でも、抱えている課題は同じではありません。
それでも共通しているのは、「個々の事業者の努力だけでは解けない課題がある」という点です。だからこそ、地域を越えて事例を持ち寄り、共有できる仕組みが必要だと考えています。
中小企業が直面している課題
いま、中小企業を取り巻く環境は、かつてないほど厳しさを増しています。私たちが特に重く見ているのは、次のような課題です。
人手不足。募集をかけても応募が来ない、という声を数多く聞きます。大企業と比べて採用にかけられる予算も人員も限られる中小企業にとって、人材の確保は年々難しくなっています。
後継者の不在。経営者の高齢化が進む一方で、事業を引き継ぐ人が見つからない。黒字であるにもかかわらず廃業を選ばざるを得ない事業者が存在します。事業が失われれば、そこにあった雇用と技術も同時に失われます。
コストの上昇。原材料費、光熱費、物流費の上昇が続いています。価格に転嫁できればよいのですが、取引上の力関係や顧客の反応を考えると、そう簡単ではありません。
情報や機会への距離。支援制度や補助金、新しい技術や手法の情報は世の中に存在していても、日々の業務に追われる現場には届きにくいのが実情です。「知っていれば使えたのに」という機会損失が、静かに積み重なっています。
これらの課題に共通しているのは、個々の事業者の努力だけでは解決が難しいという点です。人手不足は一社の採用活動の巧拙を超えた構造的な問題ですし、後継者不足も同様です。だからこそ、事業者同士をつなぎ、情報を届け、学びの機会をつくる。そうした地域全体での取り組みが必要だと私たちは考えています。
当協会の目的
当協会は、定款において次のとおり目的を定めています。
当法人は、地域経済の根幹を担う中小企業の振興及び支援を図るとともに、人材の育成・支援並びに地域コミュニティの振興を通じて、地域課題の解決と持続可能で活力ある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
ここで大切にしているのは、特定の企業や特定の業種のために活動する団体ではないという点です。私たちが向き合うのは、広く地域の中小企業と、そこで働く人々、そして地域社会全体です。
六つの事業
上記の目的を達成するため、当協会は次の事業を行います。
1. 中小企業の経営支援及び健全な発展の促進に関する事業
経営に関する相談への対応や、必要な情報の提供を行います。日々の業務に追われる中で相談先が見つからない、という状況をなくすことを目指します。経営の悩みは、口に出して整理するだけで進む部分が少なくありません。まずは話せる場をつくることから始めます。
2. 人材の育成、職業能力の開発及び就労の支援に関する事業
働く一人ひとりが力を発揮できるように、人材の育成と職業能力の開発を支援します。あわせて、就労を希望する方と地域の事業者とをつなぐ取り組みを行います。人手不足という事業者側の課題と、働く場を探す方の課題は、地域の中で結びつけることができるはずです。
3. 地域課題の解決及び地域経済の活性化に関する事業
人口減少、担い手の不足、まちの機能の低下。地域が抱える課題は、一つの事業者では解けません。事業者、住民、行政をつなぎながら、地域全体の力を高める取り組みを進めます。
4. 地域コミュニティの振興及び地域住民の交流促進に関する事業
人と人とが顔の見える関係でつながっているまちは、困りごとが起きたときに強さを発揮します。地域コミュニティの振興と、住民同士の交流を促す活動に取り組みます。
5. 中小企業及び地域経済に関する調査研究並びに情報の提供に関する事業
実態を知らなければ、支援は的を外します。地域の中小企業と地域経済について調査研究を行い、その成果を広く情報提供します。事業者にとっても、行政にとっても、判断の土台となる情報を地域に置くことを目指します。
6. 前各号に関する講演会、セミナー及び研修会等の開催に関する事業
学びの機会は、地域に開かれているべきものです。経営、人材育成、地域づくりに関する講演会やセミナー、研修会を開催し、事業者とそこで働く人々が学べる場をつくります。
このほか、当協会の目的を達成するために必要な事業を行います。
非営利型の一般社団法人として
当協会は、非営利型の一般社団法人です。事業によって生じた剰余金を構成員に分配することはありません。活動によって得られたものは、次の活動に充てられます。
この形を選んだ理由は明確です。私たちが行うのは、特定の誰かの利益を増やすための活動ではなく、地域社会全体の利益の増進に向けた活動だからです。誰か一社が得をする仕組みではなく、地域にいる事業者と働く人が広く恩恵を受けられる仕組みを目指しています。
これから
当協会は設立したばかりです。掲げた目的に対して、今すぐすべてができるわけではありません。できることから、地域の声を聞きながら、一つずつ形にしていきます。
もし、経営のことで相談したいことがある、人材のことで困っている、地域で何かを始めたいが誰に相談すればよいか分からない。そうしたことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
相談にあたって、事前に資料を整えていただく必要はありません。「何が問題なのかもはっきりしない」という段階でも構いません。むしろ、そうした段階でお話をうかがうほうが、整理のお手伝いができることが多いと感じています。すべてにお応えできるとは限りませんが、まずは状況をうかがい、私たちにできること、そして私たちよりも適した窓口がある場合はその紹介も含めて、一緒に考えます。
また、当協会は特定の商品やサービスを販売する団体ではありません。ご相談いただいたからといって、何かの購入をお勧めすることはありませんので、その点はご安心ください。
中小企業を支えることは、地域を支えること。その考えのもと、福岡から、活力ある地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
法人概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法人名 | 一般社団法人ふくおか活力創造協会 |
| 法人格 | 非営利型 一般社団法人 |
| 法人番号 | 6290005020166 |
| 所在地 | 〒811-2305 福岡県糟屋郡粕屋町大字柚須119番地1 |
| 設立 | 2026年(令和8年)7月21日 |
| 代表理事 | 濱野 雅行 |
出典:中小企業庁「中小企業白書」(企業数に占める中小企業の割合、従業者数の割合)